WWF活動支援、最初の商品である「みんなの環」の開発は、ひとりの社員の発案からスタートしました。店頭で、エコロジーな商品にニーズがあることを発見。それをたまごで実現できないかと考えました。
たまごに特徴を出した商品には、栄養成分を強化したものが多く、それ以外の画期的な新商品はなかなか生まれませんでした。これまでのたまごの特徴とは全く違った角度で、支持をいただける仕組みを作ろう、という思いから開発が始まったのです。
養鶏産業は、良質な食品であるたまごを安定供給する産業ですが、農業に比べ、二酸化炭素排出量などで環境負荷が大きい産業だと言えます。これまでに、エコロジーに関する取り組みとして、鶏糞を活用した循環型農業の仕組みやエコフィードの活用などが実施されてきました。
このような地域に密着した活動がありましたが、地球全体でのキーワードに結びつく活動はありませんでした。
たまごの販売を行う中で、環境活動を支援することが、何かできないかと考えました。
そこで、世界で活躍する最大の自然保護団体WWF(世界自然保護基金)の日本事務局、WWFジャパンと協議することにしたのです。WWFジャパンには、商品の売り上げから環境保護活動に寄付ができる仕組みがありました。当社ではそのシステムを活用し、たまごで「寄付ができる商品」を開発することにしました。また、その商品のパッケージに、植物性原料から作ったバイオマスパックを使用することにしました。
こうして、「自然保護活動への支援」と「環境に優しいバイオマスパックの使用」という組み合わせから、環境を意識した商品が出来ました。名前は、地球を人の輪で結ぶ、その輪を環境の“環”ととらえて、「みんなの環(わ)」としました。
2009年4月「みんなの環」は発売となり、この取り組みは大きな反響を頂きました。
更に、JA全農グループが掲げる経営理念の一つ「地球の環境保全に積極的に取り組みます。」という考えに合致する商品として、社を挙げて取り組むことになったのです。
「みんなの環」の生産者もこの活動に協力いただきました。そうして自然保護活動支援の取り組みを各地に広げたのです。養鶏産業からエコロジーを訴える「みんなの環」によって、新しいネットワークを作ることをわたしたちは目指し、そのために、各地の生産者と協力してチャレンジしました。「みんなの環」の取り組みは、「たまごの里」に受け継がれ、WWFの活動を支援するとともに、自然保護活動への理解を呼びかけています。