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【無断転載禁止】鶏鳴新聞2021年7月5日号  全農、トン約4700円値上げ 7~9月期配合飼料価格

直近1年間の値上げ幅は1万5000円超

JA全農は6月18日、令和3年7~9月期の配合飼料価格について、飼料原料や為替の情勢を踏まえ、前期(令和3年4~6月期)に対し、全国全畜種総平均でトン当たり約4700円値上げすると発表した。値上げは昨年10~12月期から4期連続で、値上げ幅の合計は1万5450円にのぼる。商系メーカーや専門農協系も値上げする。

今回の値上げの要因は前期と同様に、中国による米国産穀物の大量買い付けによるトウモロコシと大豆かす価格の値上がりや円安など。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なるが、トウモロコシと大豆かすの配合割合が大きい養鶏用飼料の値上げ幅は、全国全畜種総平均を上回るとみられる。全農が発表した飼料情勢は次の通り。

▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、3月には540セント/ブッシェル前後で推移していたが、その後、南米産地の乾燥天候による作柄悪化懸念に加え、米国農務省が4月に発表した需給見通しで、期末在庫率が下方修正されたことや、中国からの強い引き合いなどを受けて一時730セント/ブッシェル台まで高騰した。その後、米国産地で生育に適した天候が続いていることから下落し、現在は670セント/ブッシェルを超える水準となっている。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、南米産新穀へ需要がシフトし始めているものの、引き続き米国産旧穀の需給はタイトであることから底堅く推移している。今後は、米国産地の夏場の受粉期に向けて天候に左右されるものの、引き続き中国向けの旺盛な輸出需要が見込まれることや、期末在庫が低水準であることから、相場は堅調に推移するものと見込まれる。

▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、3月には440ドル/トン前後であったが、中国向けの旺盛な輸出需要を背景に、大豆の期末在庫率が歴史的な低水準となったことに加え、米国産地の天候不良による作付遅れ懸念から、480ドル/トン台まで上昇した。その後、米国産地で順調に作付が進んだことなどから下落し、現在は430ドル/トン前後で推移している。国内大豆かす価格は、為替が円安となっていることから値上げが見込まれる。

▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月には55ドル/トン前後で推移していたが、旺盛な穀物輸送需要や、原油相場が値上がりしていることに加えて、中国の粗鋼生産量の増加に伴う大型船運賃の高騰などにより上昇し、現在は70ドル/トン前後で推移している。今後は、原油相場が高止まりしていることに加え、南米産穀物の輸送需要が本格化することから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれる。

▽外国為替=3月には1ドル=108円前後で推移していたが、米国の追加経済対策による経済活動回復への期待感の高まりや好調な経済指標から円安が進み、現在は109円台で推移している。今後は、米国経済の回復への期待感があるものの、低金利政策が継続することから、一進一退の相場展開が見込まれる。

鶏鳴新聞

鶏鳴新聞
2021年7月5日

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