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【無断転載禁止】鶏鳴新聞2020年10月5日号
全農、トン約1350円値上げ 10~12月期配合飼料価格

海上運賃と飼料原料が値上がり

10~12月期の配合飼料価格は、1000円を超える大幅な値上げとなった。値上げは今年1~3月期以来で、値上げ幅が1000円を超えるのは平成30年7~9月期以来。飼料関係者によると、現在の穀物相場や海上運賃の水準が続けば、1~3月期の配合飼料価格も値上げの可能性があるとしている。


JA全農は9月18日、令和2年10~12月期の配合飼料価格について、飼料原料や為替の情勢を踏まえて、全国全畜種総平均でトン当たり約1350円値上げすると発表した。主原料のトウモロコシや大豆かす価格の値上がりに加え、海上運賃(フレート)の値上がりなどが要因。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。

ホクレンも同日、約1150円の値上げを発表。商系大手の中部飼料と日清丸紅飼料は25日、フィード・ワンは29日に値上げを発表(値上げ幅は非公表)した。

全農が発表した飼料情勢は次の通り。

▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、6月には330セント/ブッシェル前後で推移していたが、米国産地で生育に適した天候になったことから、7月には310セント/ブッシェル前後まで下落した。その後、中国向け輸出成約の大幅な増加や米国産地の高温乾燥などによる作柄悪化から堅調に推移し、現在は360セント/ブッシェル台まで上昇している。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、米国産の輸出需要が増加していることから上昇している。今後は、生産量のさらなる下方修正の懸念や、中国をはじめとするおう盛な需要に支えられ、相場は堅調に推移するものと見込まれる。

▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、6月には329ドル/トン前後で推移していたが、米国産地の高温乾燥による大豆の生育悪化懸念などから、現在は359ドル/トン台まで上昇している。国内大豆かす価格は、シカゴ定期や海上運賃が上昇していることから、値上がりが見込まれる。

▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、5月には30ドル/トン台で推移していたが、中国向け穀物の輸送需要が増加したことや、鉄鉱石の輸送需要が増加したことから8月には50ドル/トン台まで上昇した。その後、鉄鉱石の輸送需要が一段落したことから、現在は45ドル/トン前後となっている。今後は、引き続き中国向けの穀物や鉄鉱石のおう盛な輸送需要が予想されることから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれる。

▽外国為替=外国為替は、6月には1ドル108円前後で推移していたが、新型コロナウイルスの影響により、世界的な景気後退が続いていることや、米国の低金利政策が長期化するとの見方から円高がすすみ、現在は106円前後で推移している。今後は、世界経済の先行きは依然として不透明であることから、一進一退の相場展開が見込まれる。

鶏鳴新聞

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2020年10月5日号 【無断転載禁止】

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